メディア&パフォーミング・アーツ・センター(Experimental Media and Performing Arts Center、EMPAC、ニューヨーク州トロイ)は、実験的な科学技術を使った作品、電子音楽やパフォーミング・アーツの発表/研究/作品制作の他、ワークショップやトークなどを行う施設として、レンセラー工科大学(Rensselaer Polytechnic Institute、ニューヨーク州トロイ、1824年開校)によって2004年に設立された。
本センターでは、研究者とアーティストを対象にしたレジデンス・プログラムをそれぞれ実施している。アーティスト・イン・レジデンス・プログラムは年間3回受付けており、次回は2012年9月17日が〆切。今年採択されたアーティストの1人として、エレクトロニック・パフォーマンスのパイオニアであり実験的かつ多様な表現で著名なローリー・アンダーソン氏(Laurie Anderson、1947年−、米国)が発表された。アンダーソン氏は、2012年から3年間かけて新作に取り組む。彼女は2009年にも同センターのレジデンス・プログラムで作品《Delusion》を制作した。日本でアンダーソン氏を大規模に紹介した展覧会として、2005年に開催された「ローリー・アンダーソン——時間の記憶」展(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC])がある。
EMPACのように高度な設備とエンジニアを有してアーティストとパフォーミング・アーツを共同制作できる現場は、山口情報芸術センター(YCAM)と類似するが、このような施設は世界的にみても数が少ない。メディアアートがカバーする領域として、ライブ・エレクトロニクス、電子音楽、ダンス、演劇、パフォーミング・アーツなども重要な表現である。テクノロジーを使った多様な表現領域を総合的にメディアアート史に位置づけていくことが求められる。
Experimental Media and Performing Arts Center (EMPAC)
http://empac.rpi.edu/