HEAT実行委員会はゲーム業界をめざす学生を対象とした合同企業説明会「HEAT 3rd 渋谷〜ゲーム会社合同説明会〜 」を2015年12月20日、渋谷ヒカリエのDeNA本社で実施した。会場には学生408名に加えて、全国の企業31社、大学・専門学校11校がブースを出展。パネルディスカッションの「社長トーク」ではHEATがきっかけで内定を得た学生と経営者がペアで登壇し、就職活動のふり返りや、学生の選考基準などについて各社の考えが紹介された。
■延べ1000人が参加し、約30名の内定者を輩出
HEATは企業・学校・学生の3者すべてにとって、いい出会いを生み出す環境を作りたいという思いから誕生した就活イベント。第1回目は2015年5月に渋谷で約350名・第二回目は大阪で約250名を集めて開催された。HEAT実行委員会の中心人物であるDeNAの馬場保仁氏は、過去2回のHEATで約30名の内定者が出たと紹介。ただイベントに出席するだけでなく、積極的に企業担当者に質問をするなど、学生に対して「一歩前に出て欲しい」と呼びかけた。
ゲーム業界は大きくゲームを開発する開発会社と、販売・運営・宣伝を手がける販売会社に分かれており、ゲームは販売会社名義で発売されるため、学生にとって開発会社の名前を耳にする機会は少ない。また大手中心の販売会社と異なり、開発会社は中小企業が多く、採用形態もインターンやアルバイトなどを組み合わせた通年採用が基本だ。そのため企業ブースでは人事担当者やクリエイターが学生に対して熱心に企業説明を行っていた。
一方で学校側にとって、企業と直接コネクションが築ける機会は数少ない。学生にとっても、学校ブースでポートフォリオや授業で制作したゲームの展示・説明などを行えるのは、就活とはまた違った形で自分たちをアピールできる好機だ。そのため学校ブースでは教員と学生が一緒になって、企業の担当者にアピールする姿が見られた。
ゲーム開発会社・イニスの企業ブース
■名物社長と内定者がペアでパネルディスカッションに登壇
新たな試みとしてHEAT実行委員会がメンターをつとめながら学生が数ヶ月でゲームやビジュアルイメージを作る「HEAT Dev/HEAT Art」も行われた。表彰式ではSocial Creator Info賞に北海道情報専門学校の『潜入変化』、大賞に名古屋工学院専門学校の『コラプス』が輝いた。
HEAT Devコーナーで制作された5作品を展示
また、好例の「社長トーク」ではアールフォース・エンタテインメント、ヴァンガード、リズの社長と内定者の合計6名が登壇した。アールフォースの横山裕一氏は「ゲーム作りは手段でしかない。ゲーム作りを通して何を目標にするかが重要」だと指摘。ヴァンガードの杉山智則氏はゲーム業界の変化の早さについて触れ、「お客様のニーズの変化に対して、自ら変化していける人が求められている」と話した。
リズの磯野貴志氏は「ゲームデザイナーは他の職種に比べてダメ出しをされやすいので、メンタルの強さが重要」だと指摘。ヒューマンアカデミー名古屋校の学生で、過去2回のHEATに参加したことで同社に内定、現在はインターン中だという川西雄紀氏は「こうしたイベントに参加して、企業の方に名刺をもらったら、忘れずにメールで連絡を取ることが大事」だと話していた。
さまざまな議論が展開された「社長トーク」