NPO法人国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)は2014年8月2日、3日に「東北ITコンセプト福島GameJam2014」を開催した。本会場となった「まなそびプレックス」(福島県郡山市)に加えて、国内外12カ所(仙台・八王子・新宿・厚木・横浜・石川・名古屋・沖縄・台北・台中・高雄・サンディエゴ)でサテライト会場が発足し、合計で3カ国288人が参加。「CONTINUE」というテーマのもと、約30時間で54本のゲームが制作された。

GameJamはプロ・アマ問わず雑多な経歴の参加者が一堂に会して即席のチームを組み、数十時間という短時間でゲームを制作するイベントのこと。ゲーム作りを通して、暗黙知になりがちなゲーム作りのノウハウを効果的に伝達できるなど、「集団による学び」が期待できる。ギネスブックにも登録されているGlobalGameJamをはじめ、世界各地で様々なGameJamが開催されている。

東北ITコンセプト福島GameJamは東日本大震災から約5カ月後の2011年8月27日、28日に、IT・ゲーム産業分野での人材育成などを目的として、福島県南相馬市で開催。イベントの模様はUstreamによって全世界に配信された。以後、毎年8月に実施されており、本会場と連携開催するサテライト会場が増加。第17回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門で審査委員会推薦作品にも選出されている。

第4回となる今年度は、本会場を南相馬市から郡山市に移転すると共に、宮城県仙台市でもサテライト会場が発足した。東北3県被災地のうち、福島県外で発足した初のサテライト会場で、IGDA東北の仙台地区で活動する有志が中心となって運営。大学教員・ゲーム開発者・専門学校生など6名が参加し、2タイトルを開発した。沖縄会場をIGDA琉球大学、サンディエゴ会場をIGDAチリが主催するなど、各地のIGDA支部も運営に協力した。

ゲームの内容では「CONTINUE」というテーマから、「繰り返し」や「継続」という要素を組み込んだものが目立った。特に台湾の3会場(台北・台中・高雄)では高いクオリティの作品が目立ち、地域の開発力向上を感じさせた。本会場で実施された「お絵かきワークショップ」で、子供たちが描いたキャラクターを取り込んだ作品も見られた。併設されたワークショップではゲーム開発ツールの使い方について学ぶ参加者の姿も見られた。

制作されたゲームは公式サイトからダウンロードしてプレーできるほか、2014年9月18日から開催される東京ゲームショウ2014(千葉県千葉市)のインディーズコーナーなどに出展される。事務局ではゲームのさらなる品質向上をめざして、GameJam終了後も参加者に開発を継続してほしいと、閉会式で呼びかけていた。

東北ITコンセプト福島GameJam2014
http://fgj.igda.jp/