『「メディアアート」を再発明するための五つの方法』は「映像情報メディア学会誌」2011年10月号に掲載され、メディアアートの「再考」あるいは「再定義」をテーマに書かれたエッセイである。
久保田晃弘氏(多摩美術大学情報デザイン学科教授)によれば、「かつては新しい表現であったニューメディアアートも、しだいに、ある一定の様式に収まりつつある」という。その背景として高性能なメディアテクノロジーが一般化したこと、メディアアートの社会的認知が進んだことが挙げられる。久保田氏が提示するメディアアートを再発明するための5つの方法(▽電気が不要なメディアアート▽動いたり光ったりしないメディアアート▽完成させる必要のないメディアアート▽成長する(あるいは死滅する)メディアアート▽宇宙人のためのメディアアート)とは、様式化されつつあるメディアアートに対峙するオルタナティブな表現を模索するための方法といえるだろう。
「映像情報メディア学会誌」では2010年04月号から「メディアアート紀行」の連載が始まり、メディアアートに関連する研究者やアーティストらによる寄稿を読むことができる。
社団法人映像情報メディア学会「映像情報メディア学会誌」2011年10月号 目次
http://www.ite.or.jp/data/journal/passed_issues/?mode=disp1&key=105&lid=&sort=&word=2011&page=1