報告者 愛知学泉大学 西原麻里氏
プロジェクトの目的と背景
目的
- 日本と海外に於けるマンガ/コミックス研究情報の収集
- その情報を社会での活用に向けて整理し、布置(=マッピング)する
背景
文化庁メディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業(平成24・25年度)における「マンガ研究マッピング・プロジェクト」の後継事業として、マンガ/コミックス研究の文献の収集・調査を行ってきた。
本年度のプロジェクト体制
- メンバー
石川優(大阪市立大学)
西原麻里(愛知学泉大学)
杉本=バウエンス・ジェシカ(龍谷大学) - オブザーバー
吉村和真(京都精華大学)
本年度の活動
1. マンガ/コミックス研究動向の調査
日本語文献(担当:石川、西原)
平成27年10月〜平成28年9月に日本語で公表された出版物の情報収集を行った。具体的には、学術書を中心に、インタビュー集・ムック本・資料集などの情報を収集した。
外国語文献(担当:杉本=バウエンス)
平成27年10月〜平成28年9月に英・独・仏語で公表された出版物(主に、学術書)の情報収集を行った。
2. マンガ研究(者)情報のマッピングに向けた取り組み
これまではマンガ研究の初学者(学部生や大学院生など)に向けたマッピングの構築を進めてきたが、近年、日本ではマンガ研究の入門的なブックガイドや網羅的な文献リストなどが出版されている。こうした前例との差異化をはかるため、このプロジェクトでは、収集した文献情報を整理・公開するだけでなく、マンガ研究の知見を社会でより活用できるようなマッピングのあり方について検討した。
狙い
マンガ研究の動向の把握だけでなく、マンガ研究者(特に若手研究者)の成果や技術の社会での活用を促し、それによるマンガ研究のさらなる活性化を目指す。
マッピングの想定ユーザー
マッピングのユーザーとして想定するのは、マンガを活用した地域振興に関心をもつ自治体関係者、マンガを教材として利用したい小中学校などの教育関係者、あるいは企業の関係者などである。
公開形態
ウェブでの公開や冊子の配布を検討している。単なる「文献リスト」ではなく、マンガ研究者(若手研究者を含む)の成果や技術などの情報を集積して、それらがどのように社会で活用できるかをわかりやすく示す公開形態を計画している。
今後の展望
- マンガ/コミックス研究動向の継続調査
これまでの成果との連続性を維持するため、日本語・外国語によるマンガ/コミックス研究の動向については、継続的に調査を行っていく。 - マッピングの作成と公開
マッピングのためのフォーマットを完成させ、国内外の研究者や自治体関係者、教育関係者などの協力や助言を得ながら、マッピングの公開を目指す。