主にアメリカの公共図書館でマンガを扱う司書達のため、1999年に立ち上げられたメーリング・リストが「図書館の中のグラフィック・ノベル」(Graphic Novels in Libraries、略称GNLIB)だった。当時、オハイオの図書館で青少年向けマンガの選書ガイドラインを作成しようとしていたスティーブ・ミラー氏は、同じような問題に直面している司書達と情報を共有するために、このネットワークを作成したと言う。アメリカだけでなく、様々な国の人も参加していた。ミラー氏には『グラフィック・ノベル・コレクションの構築と促進』(Developing and Promoting Graphic Novel Collections, Neal-Schuman Publishers, 2005)という著作がある。
設立当初の活動についてはGNLIB On the Webに一部保存されている。その後Yahooグループに移行して運営されていたが、2012年5月からメーリング・リストの名前を「図書館のためのグラフィック・ノベル」(Graphic Novels for Libraries、略称GN4LIB)と変えて新たに再出発することになった。現在は主にロビン・ブレナー氏が管理を行っている。ブレナー氏は『日本のマンガとアニメを理解するために』(Understanding Manga and Anime, Libraries Unlimited, 2007)という著作を持つマサチューセッツ州・ブルックリン公共図書館の司書である。
GNLIBには1,000人程度が登録していたが、GN4LIBにはまだ400人程しか登録されていない。移行は自動的に行われず新たな登録申請が必要。誰でも参加できるので、図書館関係者でなくとも、海外の公的な施設におけるマンガの受け入れられ方を知りたい人は、登録して議論を覗いてみてはいかがだろうか。
メーリング・リスト「図書館のためのグラフィック・ノベル」
http://groups.yahoo.com/group/gn4lib/