2012年7月21日、早稲田大学早稲田キャンパス8号館404教室において、「漫画映画・合作映画・色彩映画:占領下とその後」と題された公開研究会が開催される。

この研究会では、戦後から1960年代にかけての日本のアニメーションに関する発表が二つ予定されている。渡邊大輔氏(日本大学非常勤講師)の「占領期における漫画映画の上映と観客の実態」は、戦後の漫画映画の上映環境の変容に関する発表を行うものである。イラン・グエン氏(東京芸術大学大学院非常勤講師)の「国際情勢から見た日本語の<アニメーション>と<アニメーション作家>の流用について:大藤信郎から久里洋二への軌跡を中心に」は、1950年代に世界的に定着しはじめた「アニメーション」という言葉が日本においていかに用いられるようになったのかについて、資料を元に考察する。その他、日米合作映画や色彩映画に関する発表も行われる。

戦後から1950年代のアニメーション史は、とりわけ今回のような上映環境や言説をめぐる側面については、あまり研究が進んでいない。今回の発表は、知られざる日本アニメーション史を掘り起こすものになることが期待される。

なお、研究会の母体となるのは、文部科学省の拠点形成事業に採択された早稲田大学演劇映像学連携研究拠点の研究チーム「日本映画、その史的社会的諸相の研究」である。日本映画史の知られざる側面の発掘を行う同研究チームの研究成果は、これまで、岩本憲児氏(日本大学教授)が編者を務めた『日本映画史叢書15 日本映画の誕生』(森話社、2011年)などにまとめられている。

同公開研究会は、入場無料・予約不要となっている。

「漫画映画・合作映画・色彩映画:占領下とその後」告知ページ
http://kyodo.enpaku.waseda.ac.jp/activity/20120721.html