2012年6月4日から9日まで、アヌシー国際アニメーション映画祭(フランス)が開催されたが、この映画祭の中で開かれた6つのカンファレンスの発表内容のサマリーが、公式ホームページで公開された。

「Hybridisation Issues」では、映像の豊かさを増すための、VFX、実写、拡張現実、ビデオゲームなどと、アニメーションとのハイブリッド表現について、実際のアニメーション作品のみならず、iPadアプリなどのクロスメディアの例も含め、包括的に取り上げた。

「Production and Asset Management」では、アニメーション製作スタジオにおいてもその必要性が高まっているアセットマネジメントについて、具体的な事例が取り上げられ、議論された。

「Financing Animation Feature Films」では、ヨーロッパの長編アニメーション製作資金について、フランスとドイツの例が、主にテレビ局との関係において取り上げられ、国際共同製作の重要性が改めて浮き彫りになった。

「Feature Films: 4 Case Studies」では、多彩な映像技法を用いるフランスの長編アニメーションが取り上げられ、現代におけるアニメーションの「職人芸」のあり方が考察された。

「Clothes, Hair and Face: A Technical Makeover」では、CGの発展によって大きなトピックとなっているフォトリアリスティックな質感表現が、オンライン上での服飾販売、ハリウッドスターのスタント用もしくはクロースアップ映像としても耐えうる映像制作、髪の毛の質感を様々に表現できるソフト「Maya」のプラグインといったテーマで具体的に議論された。

「VFX」では、近年ますます発展を遂げるビジュアルエフェクト技術とアニメーションとの間にある境界線についての講演が行われた。

アヌシーやシュトゥットガルトといった規模の大きいアニメーション映画祭においては、作品上映や見本市とはまた別に、主にアニメーション産業に携わる人たちによる最新の動向の発表を交えたこのようなシンポジウムが開催されることが多い。

2013年のアヌシーでのカンファレンスの日程は、6月11日から14日と発表されている。

アヌシー2012カンファレンスのサマリー

http://www.annecy.org/about/archives/2012/2012-conferences/2012-conferences-summaries