メディア作家で情報科学芸術大学院大学(IAMAS)教授の赤松正行氏らを中心としたメディアアートの展覧会「ウロボロスのトーチ」赤松正行+展が2012年8月19日より札幌のギャラリーCAI02にて開催されている。
死と再生が円環状に循環するように8枚の絵画が配置され、まるでそれらの絵にたいまつをかざすようにiPhoneをかざして見ると、そこには新たな物語がアニメーションや音として画面上に紡ぎだされる。
iPhoneアプリ「セカイカメラ」の開発などにも携わってきた同氏を中心に新たに開発されたAR(拡張現実)技術の完成度も高く、「動かないはずの絵が動き出す」「見えないはずのものが見える」といった新鮮な驚きをあらためて感じさせられる作品となっている。
毎年夏には北海道に滞在してその自然の恵みの豊かさに魅了され、自らも駆使する最先端のテクノロジーや文明社会に対する矛盾が露になるという同氏。それが作品テーマにも反映されているだけでなく、このようなメディアアート展示が東京ではなく札幌で行われることも興味深い。
札幌市は、2006年に「創造都市さっぽろ(sapporo ideas city)宣言」を行い、札幌ビエンナーレを開催するなど「ユネスコ創造都市ネットワーク」への加盟を目指してメディアアートを活用したまちづくりを進めており、本展覧会もその一環として整備された札幌駅地下広場デジタルサイネージで関連展示が行われている。
今後も札幌を中心としたメディアアートの展開に注目したい。
ウロボロスのトーチ Uroboros Torch 赤松正行+展
会 期:2012年8月18日(土)〜9月1日(土)
時 間:13:00〜23:00(8月18日、30日は19:30〜23:30)
休 館:日曜・祝日
会 場:CAI02 raum1 札幌市中央区大通西5丁目 昭和ビルB2(地下鉄大通駅1番出口)
主
催:CAI現代芸術研究所
ゲスト・キュレータ:カジタシノブ
入場料:無料
http://www.cai-net.jp/info/index.html#akamatsu
ワークショップ「ウロボロスのコーチ」札幌市立大学公開講座
日 時:2012年8月25日 (土) 14:00開場 14:30〜19:00
会 場:札幌市立大学サテライト・キャンパス
講 師:赤松武子+正行
受講料:無料
Craftwifeライブ・パフォーマンス
日 時:2012年8月30日 19:00開場 19:30〜
会 場:CAI02 raum1 札幌市中央区大通西5丁目 昭和ビルB2(地下鉄大通駅1番出口)
入場料:無料
デジタル・サイネージ「Bloomclock」北村穣・赤松正行 展
会 期:2012年8月17日〜
時 間:11:00〜22:00 毎時0分前後
会 場:Sapporo*north2(地下歩行空間内)
入場料:無料
展覧会「ARART Exhibition」 白鳥啓・向井丈視・朴永孝 展
会 期:2012年8月27日〜9月1日
時 間:15:00〜23:00
会 場:ATTIC 札幌市中央区南3条西6丁目 長栄ビル4F
入場料:無料
(緒方 壽人)
ウロボロスのトーチ Uroboros Torch 赤松正行+展
http://www.cai-net.jp/info/index.html#akamatsu
創造都市さっぽろ国際シンポジウム「メディアアートと創造都市」