2012年5月9日、ロンドン郊外のファーナムにあるアニメーション・リサーチ・センターが改築を終え新たにオープンした。

2000年、UCA芸術大学(University for the Creative Arts)のファーナム・キャンパス内に設置された同センターは、アニメーション学の促進のために、イギリスのアニメーションに関する資料の所蔵と公開、国内・海外の研究プロジェクトとの連携、出版助成などを主な目的として活動を行っている。同大学にはアニメーション研究を専門とする学生のための大学院(修士課程および博士課程)も設置されており、Animation: Interdisciplinary Journalのエディターを務める同大学教授のスザンナ・ブッチャン氏の指導のもと、デジタル表現やデザイン、メディア論、美術批評など、アニメーションに隣接する様々な領域とクロスする研究が行われている。

同センターのアーカイブのコレクションは、イギリス・アニメーションを中心とするものである。ハラス&バチェラー・スタジオやボブ・ゴドフリー・スタジオといったイギリスを代表するアニメーション・スタジオや1990年代のイギリス・アニメーション黄金期を支えたチャンネル4などに関連する、200万点を超える資料が保管されている(現在のところ、データベース化されているのはそのうち10万点のみで、オンライン上での公開はされていない)。

以前、アーカイブはキャンパス内のセンターからは別置されていた。今回の改築作業は、アーカイブをファーナム・キャンパス内に移す作業を大きな目的としており、利便性が上がったかたちになる。移転と改築に伴い、同センターでは今後展示も行うことになり、2012年9月には初の企画として、「ボブ・ゴドフリーのイギリス(Bob Godfrey’s Britain)」展が開始される予定となっている。

アニメーション・リサーチ・センター
http://community.ucreative.ac.uk/animation-research-centre