オタワ国際アニメーション映画祭が、2012年9月19日から23日まで、5日間の日程で開幕した。

カナダの首都オタワで開催される同映画祭は1976年設立で、アニメーション専門映画祭としては北米最大規模を誇る。同じ日程で開催される見本市テレビジョン・アニメーション・カンファレンスとともに、北米のアニメーション芸術および産業関係者の集まる場所となっている。

オタワ国際アニメーション映画祭の特徴のひとつは、アーティスティック・ディレクターであるクリス・ロビンソン氏(ライター)による個性豊かなプログラム選定で、主要なアニメーション映画祭の多くがヨーロッパに位置し、作品のフォーカスも地域的に偏りがちの中、独自の色を保ち続けている。

特別上映部門の今年の目玉となるのは、アメリカのインディペンデント・シーンにおいて、1970年代以来の長きにわたって独自の活動を続けているラルフ・バクシ監督の大規模な特集である。他にも、アメリカの実験アニメーション界で活動を続け、2011年に逝去したカレン・アクア監督の特集上映など、ユニークなスタイルを持った作家が数多く紹介される。

映画祭の華となるコンペティション部門への今年の応募作品は2,300本を超え、入選した98作品が長編部門と短編部門に分かれて賞を競う。長編部門への日本作品の入選は今年はなかったが、短編部門には、水江未来監督『MODERN No.2』(2011)や和田淳監督『グレートラビット』(2012)といった他の主要なアニメーション映画祭でもお馴染みの作品のほか、田名網敬一監督と相原信洋監督の共作『DREAMS』(2011)などが入選している。また、東京藝術大学大学院のアニメーション専攻が、学校ショーリール部門において最後の3校に残っている。

オタワ国際アニメーション映画祭公式ホームページ

http://www.animationfestival.ca/

今年のオタワ国際アニメーション映画祭についてのクリス・ロビンソンのインタビュー

http://www.cartoonbrew.com/events/a-chat-with-ottawa-animation-festival-director-chris-robinson-69670.html