佐々木マキ氏は1946年生まれのマンガ家・イラストレーター・絵本作家。1960年代末から1970年代初頭に『ガロ』や『朝日ジャーナル』に発表された諸作品は、コマとコマが因果的関係でつながらず、詩的に呼応しあう特異なマンガだった。
物語という制約からも解放されたマンガは、当時の青年たちに大きな影響を与えたという。小説家の村上春樹氏、マンガ家・マンガ研究者の夏目房之介氏など、佐々木氏の名を若き日に出会った重要な作家として挙げる人は多い。
2011年、祖父江慎氏の装幀によって『うみべのまち 佐々木マキのマンガ1967-81』(太田出版)という奇蹟的な自選マンガ集が出版されたのは記憶に新しい。
今回の展覧会では、マンガだけに限らず、絵本、イラストなどの佐々木マキ・ワールドがあわせて紹介されるとのこと。2013年4月6日から6月23日にかけて武蔵野市立吉祥寺美術館で開催された後(前と後期で展示替えを予定)、全国巡回することも予告されている。
マンガ、絵本、挿絵の3つを柱に構成された図録『佐々木マキ見本帖』は絵本館から近日中に発売される予定だ。
「佐々木マキ 見本帖展」
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/exhibitioninfo/2012/12/post-107.html