パリにあるマンガ専門のギャラリー「バルビエ&マトン」(Galerie Barbier & Mathon)で、2014年1月29日から2月28日にかけて、「手塚治虫原画展」が開催される。

これは新作アニメーション『BUDDHA2 手塚治虫のブッダ-終わりなき旅-』の先行上映会がパリのルーブル美術館で2014年1月30日に開かれるのに合わせて開催されるもので、東映アニメーションと手塚プロダクションの協力を得て実現した。

『ブッダ』だけでなく、『鉄腕アトム』や『ブラック・ジャック』などの原画約50点が展示されるとのこと。フランスで日本のマンガ家の原画が展示されることはあまりなく、フランスのマンガ・ファンにとってはまたとない機会となることだろう。ギャラリーで開催される展示であるが売買は行われない。

パリは今、マンガ・ギャラリーのブームとでも言うべき状態にあり、10年前には2、3軒しかなかったのがここ数年で急激にその数を増やし、今では少なくとも10軒以上が存在している。出版社のグレナが自らオープンしたギャラリーは話題になった。

原画の値段も上がってきており、最近開かれた個展では『世界の果てのオーベルジュ』の作者であるプルーニュがオープン初日で10万ユーロ(約1400万円)を売り上げたという。プルーニュは人気のある作家ではあるものの、メビウスやエンキ・ビラルのような一般的な知名度があるわけでなく、その金額は驚きをもって伝えられた。もちろん作家によって値段は異なるが、30年前には一般的に1枚10万円程度で購入できた原画が、今では10倍以上に値上がりしている。

一般的にアートとしての評価が高いとされるフランスのマンガだが、原画市場が成立したのはせいぜいこの20年くらいの出来事だろう。日本でのマンガ原画の売買はほぼ行われていないが、海外で市場が十分に成熟すれば、海外で売ろうとする日本人作家も出てくるかもしれない。実際、日本マンガの人気もあり、その需要は大きいそうだ。

手塚治虫原画展

http://barbiermathon.com/dotclear/index.php?post/2014/01/11/Prochaine-exposition-%3A-Osamu-Tezuka