フランスにおける3大マンガ出版社のひとつ「デルクール」が、2014年10月からパリにマンガの専門学校を開校すると発表した。
これは1949年から続く私立の美術学校「ブラサール学院」との共同事業として設立されるもので、名前は両者の名をとって「ブラサール・デルクール学院」(Académie Brassart Delcourt、略称ABD)とつけられる。
初年度は25人の生徒が募集される予定で、授業料は年間6500ユーロ(約90万円)。3年間のカリキュラムが組まれており、1年目はデッサンの基礎や物語芸術の歴史、2年目は具体的な物語の創り方などを学ぶ。また、2年目には合同誌を発行し、3年目にはそれぞれの単行本を描き上げることが求められている。教授陣のなかには、フランスで今最も売れている作品のひとつである『ティトゥフ』の作者ゼップが含まれるそうだ。
フランスでマンガが学べる学校としては、ニコラ・ド・クレシーなど何人もの人気作家を輩出しているアングレームの公立校「ヨーロッパ・イメージ高等学院」が最も有名だろう。パリにも、「ジャン・トリュベール学院」「物語芸術教育センター」「リコノグラフ」、あるいは日本マンガ専門の「ユラジアム」など、すでにいくつか存在した。しかしながら大手出版社が後押しするこの学校は、本気でプロデビューを目指す学生、そしてマンガ業界全体から大きな注目を集めている。
ブラサール・デルクール学院