TVアニメ化35年を迎えたキッズ向けアニメの代表作品『ドラえもん』がアメリカの子供向け「ディズニーXD」で放送されることが先日報じられた。放送に当たっては、細部にわたるローカライズを行うと発表されており、『ドラえもん』がアメリカの子供たちにどのように受け止められるか注目を集めそうだ。
英語版の制作は、映像著作権を持つテレビ朝日、藤子・F・不二雄プロ(藤子プロ)、テレ朝子会社のシンエイ動画の3社が、米国のスタジオに委託して制作する。放送するのはウォルト・ディズニー・カンパニー参加で全米7800万世帯が視聴可能な子供向けチャンネル「ディズニーXD」。この夏よりシリーズの中から厳選されたエピソードを、週5回、計26話を放映する予定という。今回はアメリカ向けに、キャラクターの名前や登場するひみつ道具の名前も英語風に変更し、のび太がいじめられるシーンや、はしを使った食事シーン、店舗の看板なども映像にも手を加えて、アメリカの視聴者がカルチャーギャップのないように仕上げるという。
アメリカで人気を得た日本初のキッズ向けコンテンツというと『ポケットモンスター』『遊戯王』などが知られるが、それらのキャラクターと『ドラえもん』では異なるところが多い。まず『ドラえもん』の主人公のび太はドジでヒーロー性が低く、アメリカの視聴者が望む主人公像とのギャップが大きい。また『ポケットモンスター』『遊戯王』はゲームとのメディアミックス作品であることを通じてアメリカの子供に広まったが、『ドラえもん』の今回の展開にはそうしたメディアミックス展開は不在のようだ。こうした要素を超えてなおアメリカの子供に受け入れられるかどうか非常に興味深い挑戦といえる。
『ドラえもん』は原作漫画の連載開始から44年がたち、アニメも東南アジアや欧州など35カ国・地域で放映されている実績を持つ。

「ドラえもん」、遂にアメリカで放送決定!
http://company.tv-asahi.co.jp/contents/press/0302/data/20140512-doraemon.pdf