2014年10月25日、明治大学中野校で、『中野・熊本・吉祥寺:「熊本」のマンガ凝集力』と題されたイベントが開催される。これは明治大学の生涯学習センター「明治大学リバティアカデミー」の講座のひとつとして開かれるものだが、事前予約さえすれば誰でも無料で受講可能な「オープン講座」として設定されている。
登壇するのは、同大学教授の藤本由香里氏と、元「少年ジャンプ」編集長で、のちに独立し「週刊コミック・バンチ」を立ち上げた堀江信彦氏、そして熊本マンガミュージアムプロジェクトの代表をつとめる橋本博氏の三氏である。
この3人に共通するのは、熊本出身であるということだ。また、明治大学には、元コミックマーケット代表の故・米沢嘉博氏の蔵書を基にした「米沢嘉博記念図書館」が設置されているが、米沢氏もまた、熊本県の出身であった。なお、この「米沢嘉博記念図書館」は、2014年に「東京国際マンガ図書館(仮称)」として生まれ変わる予定であったが、実際のオープンはもう少し先になるようだ。
メディア芸術カレントコンテンツでもお伝えしたように、熊本では橋本博氏を中心にしてマンガ・ミュージアムを設立する計画が以前から進められている。今回のイベントは、その現状を東京で聞くことができるまたとない機会となりそうだ。
講演会は2部構成となっており、第1部で堀江氏による講演が、第2部では3氏による鼎談が予定されている。
堀江氏は現在、吉祥寺でマンガ・アート・人を結ぶ空間CAFEZENONを経営しているが、吉祥寺は昔からマンガ家が多く住む街として知られる。吉祥寺・中野・熊本という三つの「場」によってマンガがどのように育まれてきたのか。そしてそれぞれの場所で今度はマンガが何を生んでいくのか。場所性・地域性とマンガという問題を考える意味でも興味深いイベントだろう。
事前予約の方法などについては、ホームページを参照してほしい。
中野・熊本・吉祥寺:「熊本」のマンガ凝集力
https://academy.meiji.jp/course/detail/1908/