ベルギーのブリュッセルにある漫画館(La MAISON DE LA BANDE DESSINEE)では、「フランス=ベルギー派の巨匠たち:タンタンからアステリックスまで」(Les Maîtres de la Bande dessinée franco-belge, de Tintin à Astérix)が2012年1月8日まで開催されている。
最近映画が公開された『タンタン』や、その『タンタン』と並び称される『スピルー』、さらには青い小人の妖精『スマーフ』など、いわゆるフランスのマンガとして名作のほまれ高い作品には、実のところベルギーの作品が数多くふくまれている。そのためフランスのマンガを他国のマンガと区別するさいには、フランス=ベルギーのマンガ(Bande dessinée franco-belge)と称されことが多い。
この展覧会では、そういったフランス=ベルギー派の巨匠たちの作品が原画もふくめて展示されている。展覧会場の漫画館は、もともと『スピルー』の作者のひとりとして有名なジジェ(Jijé)を記念して作られた美術館だったが、5年前に現在の名称に変更された。
名作を量産している国だけあって、ベルギーにはこの漫画館もふくめ、たくさんのマンガ美術館や関連施設が存在する。もっとも有名なのはベルギー・マンガ・センター(Centre Belge de la Bande Dessinée、通称CBBD)だろう。そのほかにも国民的人気作家マルク・スレーン氏の名前がつけられたマルク・スレーン・ミュージアム(Marc Sleen Museum)、マンガ作品のフィギュア等を展示しているオリジナル・フィギュア・ミュージアム(Museum of original Figurines、通称MooF)、マンガ・コミュニティー(Le Village de la Bande Dessinée)などが首都のブリュッセルには存在する。さらには、『タンタン』の作者であるエルジェを記念したエルジェ・ミュージアム(Musée Hergé)も、ブリュッセルから南東に約30Km、ルーヴァン・ラ・ヌーヴの町に2009年オープンした。