フランスのアングレームにある「マンガとイメージの国際都市」(略称CIBDI)には、各国の作家たちが共同生活をしながら作品制作を行う「作家館」(La Maison des Auteurs)が設置されている。いわゆるアーティスト・イン・レジデンスと呼ばれる仕組みだが、すでにプロデビューしている作家だけでなく、作家の卵たちも参加しており、法律講習会の実施や、出版社との橋渡しなど、様々なデビュー支援策も行われている。以前にお伝えしたことがある「トキワ荘プロジェクト」の海外版とも言える側面を持った施設と言えるだろう。
CIBDIのページによれば、現在のところ21名の作家が滞在しており、2002年の開館から数えると、様々な国から200名以上の作家を受け入れてきた。その成果として、これまで60冊以上の単行本が出版されている。
この「作家館」への台湾人作家の入居を支援するため、在パリの台湾文化センターが呼びかけを行っている。台湾国籍を持ち、すでにプロとして作品を発表している作家が対象で、応募者の中から2名が選ばれ、台湾とフランスの往復航空券のほか、月額830ユーロが台湾文化省から支給されるそうだ。住居や制作環境はCIBDIが提供し、滞在期間は4ヶ月。その成果を示す展示なども滞在後に行われるとのこと。
台湾は2012年度から毎年アングレームのマンガ・フェスティバルに「台湾館」を出展しており、2015年度も参加することがすでに発表されている。このフェスティバルにはヨーロッパだけでなく世界中からマンガ関係者が訪れることが知られており、今回の試みも含め、着実に台湾のマンガが世界に知られるようになってきていると言えるだろう。
応募要項(フランス語)
http://www.ccacctp.org/fr/lien/40/annonce.html
応募要項(中国語)
http://www.ccacctp.org/ch/liens/bulltin/50/annonce.html