北欧コミックス・リサーチ・ネットワーク」(Nordic Network for Comics Research、略称NNCORE)は2011年に結成された比較的新しい研究者グループ。デンマーク科学省の独立研究評議会(Danish Council for Independent Research)から2年間の助成を受けて活動を始めた後、2013年にフィンランドで開かれた研究会において、団体として体裁を整え会を継続させることが確認された。

2年に1度大きな大会を開くことが目指されており、次回は2015年6月に開催されるオスロ・コミックス・エクスポ(Oslo Comics Expo)に合わせ、ノルウェーのオスロ大学で開かれる。今回は「マンガにおける戦争と衝突」(War and Conflict in Sequential Art)というテーマが扱われる予定で、現在その発表原稿が募集されている。今回の会議では会の綱領も採択されることになっており、その綱領文案によれば、北欧諸国内のマンガ研究者をつなげるネットワークとして機能するだけでなく、諸外国の研究者や研究グループとのネットワーク接点となることも目指されるようだ。募集締め切りは2015年2月15日。詳しくは募集要項を見てほしい。

北欧諸国でマンガやマンガ研究、あるいはその保存が盛んなことは何度かお伝えしてきたが、ノルウェーでも首都オスロにある公共図書館のグリーネルロッカ分室2階にはマンガ図書館(Serieteket)が設置され約1万冊を収蔵しているほか、オスロから75キロ北にあるブランドブのマンガ・ミュージアム(Tegneseriemuseet)でも、総数約20万点のマンガ関連資料が保存されている。このマンガ・ミュージアムは60年代末から始まったノルウェーのマンガ・ファンたちの運動がもたらしたものであり、14のマンガ関連団体から形成されるコンソーシアムが収蔵品の所有権を持っている。

「マンガにおける戦争と衝突」発表原稿の募集要項
http://www.nncore.dk/index.php?mact=News,cntnt01,detail,0&cntnt01articleid=113&cntnt01origid=15&cntnt01detailtemplate=Simplex_Detail&cntnt01returnid=69