国立新美術館で2015年6月24日から8月31日まで、展覧会「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」(主催:国立新美術館)が開催される。マンガの神様として知られる故・手塚治虫が他界した1989年から2014年までの25年間に焦点を当て、複合的メディア表現として深化している日本のマンガ、アニメ、ゲームを総合的に展望し、観覧者の想像力と創造力を再発見する機会を提供することを目的としている。

日本のポップカルチャーはマンガ・アニメ・ゲームとメディアを拡大させながら、キャラクター・世界観・ストーリーといった要素の解体・融合・深化を繰り返してきたという、世界的にも特異な歴史を辿ってきた。これらを俯瞰し、作品と作品の関係性、そして同時代の社会やテクノロジーと作品の関係を捉えるために、本展覧会は以下の8章で構成される予定だ。

1)プロローグ:現代のヒーロー&ヒロイン
2)テクノロジーが描く「リアリティー」-作品世界と視覚表現
3)ネット社会が生み出したもの
4)出会う、集まる-「場」としてのゲーム
5)キャラクターが生きる=「世界」
6)交差する「日常」と「非日常」
7)現実とのリンク
8)エピローグ:作り手の「手業」

展覧会にあわせて公式書籍や国際シンポジウム「日本から世界へ――マンガ、アニメ、ゲームによる文化発信と交流」も開催される。公式書籍にはマンガ研究家でノンフィクションライターの中野晴行氏、フリーライター・編集者・アニメーション研究家の氷川竜介氏、フリーライター・物語評論で、ゲーム関連の著書やコラム連載も手がけるさやわか氏が著者に名を連ねており、様々な視点での論が展開されそうだ。

本展覧会の特徴の一つはマンガ・アニメにとどまらず、技術の進化という視点を加えて、新たにゲームを接続したことだ。マンガ・アニメは表現的な親和性が高いが、ゲームはインタラクティブ(双方向)性が高い一方で、必ずしもストーリー要素が必要ないなど、少し距離が離れている。日本のポップカルチャー史の中で、ゲームがどのような関係性を持ち、位置づけられるか注目したい。

ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム
http://www.nact.jp/exhibition_special/2015/magj/