埼玉県主催、株式会社デジタルSKIPステーションの企画によるデジタルゲームの展覧会「あそぶ!ゲーム展 ステージ1:デジタルゲームの夜明け」が、10月3日よりSKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ(埼玉県川口市)にて開幕した。
会場のSKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ
【黎明期の貴重な作品をプレイ可能な状態で展示】
会場内には、デジタル・コンピューターゲームの技術革新の過程において特に重要なポイントとなった、1982年以前に発売されたアーケード(ゲームセンター用)ゲームを中心に貴重な筐体が多数展示され、いずれも自由に遊べるようになっている。
また、コンピューターゲームが商業化される以前の時代に、1958年にアメリカ・ブルックヘブン国立研究所が開発した世界初のコンピューターゲームとされる「テニス・フォー・ツー」と、1962年にマサチューセッツ工科大学が開発した「スペースウォー!」が、どちらもエミュレーターを用いてプレイ可能な状態で展示されており、コンピューターゲームの歴史を実際に体験しながら学べる貴重な場となっている。
エミュレーターを使用してプレイ可能な状態で展示された「スペースウォー!」
【詳細な解説や開発者の証言などから歴史を学べるよう配慮】
各アーケードゲームには、解説文を添えたパネルも併せて展示されている。パネルにはゲームの遊び方だけでなく、CGやハード設計の仕組みについての説明文なども書かれており、各タイトルごとの技術的な特徴も学べるように配慮されている。
さらに1972年に発売された、世界初のアーケードゲームのヒット作とされる「ポン」など一部のタイトルについては、通常は見ることのできない筐体内部に置かれた基板や各種部品類の写真および現物も併せて展示されている。
展示物以外にも、発売当時に社会現象となる一大ブームを巻き起こした「スペースインベーダー」を開発した西角友宏氏、「パックマン」を開発した岩谷徹氏が、当時のエピソードを語ったインタビュー映像が視聴できるコーナーも用意されている。どちらの映像も本イベントのために新たに収録したものであり、特にゲーム開発志望の学生や現役の開発者にとっては、貴重な証言が聞けるまたとない機会になっているものと思われる。
開催期間は2016年の2月28日まで。また1月23日には、前述の西角、岩谷両氏をはじめ、本イベントの監修者である元ナムコの遠藤雅伸氏、東京大学大学人教授の馬場章氏らを招いたトークイベント「ゲームデザイナーの仕事」の実施が予定され、さらには「ステージ2」と題した本イベントの第2弾も来年中の開催が予定されている。なお、会場内にプレイ可能な状態で出展されていたアーケードゲームのリストは以下のとおり。
【会場内にプレイ可能な状態で展示されたタイトルリスト】
・「ポン」(1972年、アタリ)
・「スピードレースデラックス」(1975年、タイトー)
・「ブレイクアウト」(1976年、アタリ)
・「マンイーター」(1975年、PSE)
・「デスレース」(1976年、エキシディ)
・「スターファイヤー」(1978年、エキシディ)
・「フットボール」(1978年、アタリ)
・「スペースインベーダー」(1978年、タイトー)
・「アステロイド」(1979年、アタリ)
・「平安京エイリアン」(1979年、電気音響)
・「ギャラクシアン」(1979年、ナムコ)
・「ジービー」(1980年、ナムコ)
・「パックマン」(1980年、ナムコ)
・「クレイジークライマー」(1980年、日本物産)
・「ドンキーコング」。(1981年、任天堂)
・「スクランブル」(KONAMI、1981年)
・「スペースフューリー」(セガ、1981年)
・「ニューラリーX」(ナムコ、1981年)
・「ジャンプバグ」(アルファ電子、1981年)
・「ザクソン」(セガ、1982年)
・「ディグダグ」(ナムコ、1982年)
・「ムーンパトロール」(アイレム、1982年)
SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ
「あそぶ!ゲーム展」
http://www.skipcity.jp/vm/game/
(鴫原 盛之)