「日本のビデオゲーム:過去、現在そして未来」と題したセミナーが、2012年2月21日・22日に、ロンドンで開催される。主催は国際交流基金ロンドン日本文化センターで、日本から東京大学教授の馬場章氏とアクワイア社長の遠藤琢磨氏が登壇する。

セミナーは二部構成で、初日の21日には馬場氏が英国ゲームアーカイブ共同創設者でバーズスパ大学教授のジェームズ・ニューマン氏をディスカッサントに、「ビデオゲームの保存収集方法と、その重要性」と題して講演する。

日本は世界的なゲーム大国だが、保存収集は議論の途上にある。一方でイギリスではメディア博物館が、ノッティンガムトレント大学やバーススパ大学と共同で、英国ナショナルビデオゲームアーカイブを進めている。日英のキーマンによって、ゲームアーカイブの現状と課題などが語られる。

22日には馬場氏と遠藤氏が「ガーディアン」紙などに寄稿するフリーランスのジャーナリスト、スティーブ・ボクサー氏をディスカッサントに「日本のゲーム産業の方向性」と題して講演する。80年代は世界を席巻していたが、近年では海外ゲーム勢の猛追を受けてシェアを低下させている日本のゲーム産業が、ソーシャルゲーム市場の拡大などのトレンドをふまえて、今後どのように進化していくかが議論される。

馬場氏は2010年5月から始まった文化庁メディア芸術デジタルアーカイブ事業および文化庁メディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業でゲーム分野会議座長を務めるなど、テレビゲームのアーカイブに関して造詣が深い。遠藤氏が率いるアクワイアは、「天誅」(英語名:Tenchu)や「侍道」(英語名:WAY OF THE SAMURAI)シリーズの開発を手がけるなど、国内外に幅広いファンを有する開発スタジオだ。学術界と産業界の双方の視点、英国ゲーム研究者などとの間で、幅広い議論が期待される。

日本のビデオゲーム:過去、現在そして未来

http://www.uk.emb-japan.go.jp/japanuk150/events/academia/JPF_Video_Game_Past.html