「re.act.feminism #2 – a performing archive」は、現代パフォーマンスに関するアーカイバル・プロジェクトの展覧会である。Centro Cultural Montehermoso(スペイン)での展覧会を封切りに2011年から2013年までに欧州6カ国で巡回される。この展覧会は、1960年代から1980年代初頭におけるフェミニストやジェンダー批判のパフォーマンスアートを現代に回帰させるプロジェクト「re.act.feminism」(2008年〜)の一環としておこなわれる。
「re.act.feminism #2 – a performing archive」では、西ヨーロッパ、東ヨーロッパ、地中海沿岸、中東、米国、ラテンアメリカの125名のアーティストやグループによる、ビデオ、フィルム、写真やテキストを紹介する。また展覧会ではスクリーニング、パフォーマンス、対話などがおこなわれ、それらの記録資料も含めて、展覧会が巡回する各地(スペイン、ポーランド、クロアチア、デンマーク、エストニア、ドイツ)でのリサーチや協力を得ながらアーカイブを拡張していく予定。
本プロジェクトは、散逸してアクセスが難しいことが多いパフォーマンスの多様なドキュメンテーションを収集し、年表とは異なる批評的/主題的なマッピングや地政学的な境界を明らかにすることによって、世代や文化を超えた対話を促すことを目的にしている。また、リビング・アーカイブの考え方にもとづいて、若い世代が資料の再利用や再解釈していくことを重要視するとともに、過去と現在の関係性、作り手と受け手の関係性などをめぐり、パフォーマンスの資料が現在と未来においてどのように受領され、どのように機能しうるかという「資料に潜在する生産性」にも注目する。
Centro Cultural Montehermosoの展覧会ウェブサイトでは、理論家のレベッカ・シュナイダー氏の考え方に言及し、ドキュメンテーションをライブ・パフォーマンスと切り離さず、写真、ビデオ、スコアなどの資料をトレースすることによってパフォーマンス作品の生きたクオリティを伝えるものとして捉える。
メディアアートは、観客が作品に介入したりジェネラティブな特徴を持つものが多く、パフォーマンス的要素が高いといえる。そのような意味で、パフォーマンスやダンスなどのアーカイブとその活用手法の研究は、メディアアートの記録と保存についても大きな示唆を与えてくれるに違いない。
re.act.feminism #2 – a performing archive
展覧会「RE.ACT.FEMINISM # 2. A PERFORMING ARCHIVE」Centro Cultural Montehermoso(スペイン)