※2016年12月2日 画像を追加しました。

ブラザー工業は、1986年に開発したPC用ソフト自動販売機「ソフトベンダーTAKERU(たける)」の誕生30周年を記念したレトロPC・ゲームイベント、「いま蘇るソフトベンダーTAKERU伝説 〜レトロPCゲームと語る30周年〜」を、11月26(土)〜27日(日)の2日間にかけて、東京の秋葉原UDXにて開催した。

【「ソフトベンダー「TAKERU」とは】

全国主要都市のPCショップなどに設置されていた、世界初となるPC用ソフトの自動販売機で、当時はテレビCMも放映されていた。ユーザーは画面に表示されるソフトのリストから欲しいものを選び、現金を投入すると電話回線を介して送信されたプログラムを書き込んだフロッピーディスクやROMカセットが購入できる仕組みになっていた。また、メーカーだけでなく個人、あるいは個人サークルによって制作された同人ソフトの販売が行われていたのも特徴だ。1997年に事業終了。

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会場内に展示された「ソフトベンダーTAKERU」の実機

【懐かしのホビーパソコン・ゲームソフトを展示し、開発者トークイベントも開催】

会場内には、「ソフトベンダーTAKERU」で販売されていたソフトが対応していた「PC-8801mk-IISR」「MSX2+」「FM-7」など、1980〜90年代にホビーパソコンとして人気を集めたPC本体が多数展示された。さらに、これらのPCで動く「テグザー」「イースIII」「ザース」などのレトロゲームも、来場者が実際にプレイできるようになっていた。

初日のトークステージでは、かつて「ソフトベンダーTAKERU」の開発リーダーを務めていた、安友雄一氏によるトークセッションが開催された。ほかにも、既に休刊したPC雑誌「LOGiN」「MSX-FAN」などの元編集スタッフやライター、レトロPCゲームの開発者など多数のゲストが招かれ、「ソフトベンダーTAKERU」稼働当時のPCおよびゲームユーザー事情などについて語り合うセッションも行われていた。

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1980〜90年代に発売された、懐かしのPCゲームも遊べるようになっていた

なお、「ソフトベンダーTAKERU」の開発リーダーであった安友雄一氏のインタビューが、下記リンクより視聴可能となっている。「『ソフトベンダーTAKERU』開発のきっかけは、ニューメディアをテーマにした事業を考えるところから。」「最大の誤算は、任天堂の『ファミコン』を取り込めなかったこと。3回ぐらい行ったが断られ、完全に当てが外れてしまった。」「最初は3年ぐらい赤字続きだったが、撤退のための費用で改造をしたら黒字になった。」など、ゲーム産業史における貴重な証言を聞くことができるので、イベントの開催期間中に都合がつかず会場に行けなかった人は、こちらをご覧になるといいだろう。

(展示されたPC)

  • PC-8801mkIISR(NEC)
  • X1 TurboZ(シャープ)
  • FM-7(富士通)
  • MSX2+(各社)
  • PC-9801VM/UV(NEC)
  • X68000XVI(シャープ)
  • FM-TOWNS UX20(富士通)
  • PC-88VA(NEC)
  • FM77AV(富士通)★85

(展示されたゲームソフト)

  • 「テグザー」(※初日のみ)
  • 「アレスタ」(※初日のみ)
  • 「ファイアーホーク」(※2日目のみ)
  • 「タケル伝説」/MSX版(※2日目のみ)
  • 「イースIII」/PC-8801mkIISR版
  • 「ぷよぷよ」
  • 「ソーサリアン」(※初日のみ)
  • 「レリクス」/PC-9801版(※2日目のみ)
  • 「ザース」/FM-7版
  • 「シルフィード」/FM77AV版
  • 「ダイナソア」/FM-TOWNS版
  • 「太陽の神殿」/X1 Turbo版
  • 「ファランクス」
  • 「ジェノサイド」/X68000版★191(1068)

※上記機種・ソフト名は、すべて公式サイトより引用。