国際ゲーム開発者協会(IGDA)が主催するグローバル・ゲーム・ジャム(GGJ)2012が2012年1月27日から29日まで開催され、世界48カ国から244会場、11245人が参加し、2303本のゲームが制作された。日本からも札幌、仙台、八王子、千代田区、京都、大阪、福岡の7都市で会場が設置され、過去最大となった。
GGJは各会場にエントリーした参加者が即席のチームを作り、48時間で特定のテーマに沿ってゲームを制作する世界最大級のゲーム制作イベント。2009年に第一回目が開催され、23カ国、50カ所のエントリーで、370作品が制作された。日本では2010年から会場エントリーが始まり、3年間で参加者が急増した。
今年のテーマは「Circle of Life」を表すイラスト(自分の尾を飲み込む蛇)で、はじめてテーマが言葉以外で示された。制作されたゲームには、▽同じステージを繰り返しながら、過去の行為を手がかりに先に進んでいく(循環性)▽キャラクターやステージに蛇のモチーフを使用する(意匠性)▽キャラクターの性別を変えながら仕掛けをクリアしていく(復活・生まれ変わり)など、テーマを生かす工夫が多く見られた。またベテランのゲーム開発者が中心のグループでは、Twitterのアイコンを召還して戦うオンラインゲームなど、商業開発では実現しにくい、挑戦的なテーマに挑むものも見られた。
参加国の割合ではアメリカが74会場でトップだったが、2番目がブラジルの23会場で、以下カナダ(15会場)、ドイツ(10会場)となった。他にトルコ、アルゼンチン、韓国、南アフリカ、タイなど世界48カ国におよび、ゲーム開発が先進国から新興国へと世界規模で拡大していることがわかる。またGGJのスタイルを踏襲して、各地で独自の開発イベントを開催する動きも広がっており、創発的なゲーム開発を楽しむゲームジャム文化が生まれつつある。
ゲームジャムの背景には、▽Unityなどの無料で使える高性能なゲームエンジンの普及▽ゲーム分野における産学連携の高まり▽インターネットの普及による世界のフラット化などがある。IGDAではGGJをコンテストではなく人材教育の一環と位置づけており、来年度もさらなる拡大と人材輩出が期待される。
GGJ2012