ドイツ、オルデンブルク市に所在する、エディット・ルス・ハウス・フォー・メディアアート(Edith-Russ-Haus for Media Art、通称ERH)が2014年度助成金および賞の募集を開始した。メディアアートに特化された展示空間とスタジオ付きのゲストハウスで構成されているERHは、故エディット・マリア・ルス氏(1919-1993)の遺志に基づき、「新しい世紀への移行のための芸術」の場(site)として2000年に設立された。いままで、ヴァリー・エクスポート氏、ラファエル・ロサノ=ヘメル氏、ポール・デマリニス氏、ハルン・ファロッキ氏などの個展のほか、社会的かつ未来志向的な企画展が開かれてきた。日本からは、飯村隆彦氏と藤幡正樹氏が、それぞれ2003年のと2009年の「Landscape 2.0」展」に参加した。

設立直後の2001年から始まった助成金(Grants for Media Art 2014 of the Foundation of Lower Saxony at the Edith-Russ-Haus for Media Art)の金額は1万ユーロであり、最低1カ月間のオルデンブルク市滞在・活動を含む6カ月の間に新作を制作する条件で、毎年3人のアーティストに授与される。一方、35歳以下の若手メディアアーティストを対象とする賞(Edith-Russ-Haus Award for Emerging Media Artists of the Sparda-Bank 2014)は、2011年以降に制作された作品の審査から選ばれた最大5人のアーティストに与えられる。受賞者全員に特別受賞展への参加機会が与えられ、そのうち2人には3000ユーロの奨励金が授与される。

2009年にザ・サイン・ウェーヴ・オーケストラ(古館健氏、城一裕氏、石田大祐氏、野口瑞希氏)が、本助成金を授与者として選定されたことがあるが、2014年度にも日本からの多くの参加を期待したい。〆切は2014年2月16日。

エディット・ルス・ハウス・フォー・メディアアートの助成金・賞募集要項

http://www.edith-russ-haus.de/en/grantsawards.html