概要

アニメーションブートキャンプは、アニメーションプロデューサーとアニメーション教育研究者の産学共同ディレクター体制のもと、ワークショップの実践を柱とした人材育成のプログラム開発を進め、産学の垣根を越えてアニメーションの知恵を共有するプラットフォームとなることを目指している。

最終報告会レポート

報告者:東京藝術大学大学院 映像研究科 アニメーション専攻 布山タルト

2019年度はアヌシー国際アニメーションフェスティバルの一環として、フランスの幅広い年齢層22名を対象にワークショップを開催した。アンケートでは、全員がこのワークショップは「非常におもしろかった」、カリキュラムについても「適切」と回答した。さらに「このワークショップで学んだことが将来に役立つ」という回答も95%で、今後の海外展開への大きな自信と手応えを得ることができた。国内では1day形式、3DCGと2D(手描き)のワークショップを実施した。1dayワークショップには、韓国から2名のアニメーション研究者が視察に訪れ、ブートキャンプの指導方法について意見交換を行った。3DCGのワークショップではオープンソースのソフトBlender(ブレンダー)を導入し、有用性が確認できたが、作業中に何度か小さな技術的トラブルも発生しており、講師のなかにBlenderの専門家が必要だと実感した。また、2Dを担当する講師が3DCGに初挑戦し、参加者と一緒に課題に取り組むという場面も生まれた。2Dのワークショップでは、6年前の参加者が講師として1名参加した。これは事業を長年継続してきたからこそ可能になったと言える。5年間の総括として、2D向けカリキュラムを基礎に3DCGにも適用可能な教育への発展を目指したが、双方的な学びが誘導され、過去の受講者が講師となる循環も生まれ、指導者の発掘と育成にも貢献できた。ブートキャンプの継続と普及を目指し、2020年に多角的なアニメーション教育振興を目的とした一般社団法人アニメーション教育ネットワーク(JENA)を設立予定である。

布山タルト(左)、報告の様子(右)

実施報告書(PDF 約4.2MB)

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