IGDA(国際ゲーム開発者協会)が米ウェスタンオンタリオ大学と共同で2月27日から3月27日まで1ヶ月間にわたり、「ゲーム開発者満足度調査2017」[https://westernsocialscience.eu.qualtrics.com/jfe/form/SV_8eNrIvokUhqbb93]を実施中だ。ゲーム開発者・流通・メディア・学術関係者・学生などを対象としたウェブアンケートで、回答は選択式で行われ、問題文は英語のほか中国語・フランス語・イタリア語・スペイン語・ドイツ語・日本語に翻訳されている。IGDAではインターネットを通して、全世界のゲーム業界関係者に回答を呼びかけている。
ゲーム開発者満足度調査はIGDAが2014年から毎年行っているもので、人口層の特色、ゲーム業界に関する満足度、業界の現在の状態とその方向性、仕事または研究の性質、職場の構成、労働条件(勤務時間、給与、福利厚生、職場の問題)、業界における多様性などの質問から構成され、回答には約30-40分が要される。 調査結果は同大学の主任研究員、Johanna Weststar博士によって分析され、レポートが無償公開される。レポートは業界研究に役立てられるほか、ワシントンポストやニューヨークタイムズといったアメリカのクオリティペーパーにも引用される。
IGDAの公式サイト [https://www.igda.org/?page=surveys]では過去の調査結果をダウンロードできる。2016年11月4日公開された昨年度の調査結果では、回答者の46%がアメリカからのもので(日本は2%)、最終学歴は学士が42%と最も多く、今後もっとも成長するプラットフォームの1位がPCで75%、次いでコンソールが65%、モバイルの55%と続いている(複数回答可)とされている。またアナログゲームが27%を獲得している。
ゲームの流通チャネルについては、企業雇用者ではモバイルゲーム向けチャネルのApp Store(53%)とGoogle Play(52%)がPCゲームむけのSTEAM(44%)を上回り、自営業者(STEAM:56%、Google Play:51%、App Store:49%)とフリーランス(STEAM:59%、Google Play:49%、App Store:48%)ではその反対という結果が見られる。ゲームを進化させる主要因については「ゲームデザインの革新」が64%と最も多く、次いで「ゲーム内容の多様性促進」(59%)、「ゲームのよりよい活用法の発見」(47%)と続いている。
ゲームが反社会的に見られる要因については「ゲームにまつわるセクシシズム」が67%と最も多く、2015年度より10%上昇している。次いで「雇用環境」と「ゲーム内のセクシズム」が共に60%と続いている。今の企業に何年間残りたいかという質問では、「1年〜3年」が24%、「できる限り」が22%、「4年〜6年」が19%、「不明」が17%となっており、総じてアメリカのゲーム産業や動向について推察する上で興味深い資料となっている。