国際ゲーム開発社協会(IGDA)はゲーム開発者満足度調査2014の結果を公表した。北米を中心とした欧米圏のゲーム開発者を巡る多様な実態が明らかになった。

本調査はIGDAが全世界のゲーム開発者を対象に5年ごとに実施しているもので、過去に2004年と2009年に開催された。2014年版は2014年3月17日から4月28日までウェブ上のアンケートで回答が募集され、2202名の回答があった。地域別では北米が65%、ヨーロッパが18%、アジアが6%、オセアニアが5%、南米が5%、中東が1%となっている。

性別では男性が76%、女性が22%、その他が2%となった。年齢別では30歳から39歳が44%とトップで、以下25歳から29歳が25%、40歳から50歳が16%、25歳以下が14%、51歳以上が1%となっている。開発者の多様性は回答者の79%が「業界のために重要」で、74%が「職場環境のために重要」と回答した。

雇用形態では正社員が76%、契約社員やアルバイトが10%、学生が12%、その他が10%だった。会社種別では開発スタジオが48%で、ファーストパーティ(ゲーム機メーカー)企業が27%、サードパーティ企業が15%、セカンドパーティ企業が11%と続く。また求職中が17%となっている。

ゲーム業界で働く理由は「生活のため」が41%、「好きだから」が40%となった。一方でゲーム業界を去る理由については「生活の質が低いから」が39%で、「情熱が燃え尽きた」が15%となっている。

年収面では47%が5万ドル以下と回答し、以下34%が10万ドル以下、それ以上が19%だった。また68%がボーナス、60%が昇級経験があると応えた。一方で32%がボーナスの支給経験がなく、40%が昇級経験もなかった。過去5年間での転職回数は平均4回で、条件の良い企業を選んで転職するという、高い流動性が窺える。

クランチタイム(納期前の徹夜作業など、短期間の超過勤務)では45%が残業手当か、それに類する手当があると回答し、37%が手当なし、18%が不明と応えた。一方でクランチタイムは24%が必要、53%が不要と回答している。また大作ゲームの開発ラインで働きたい割合が36%なのに対して、インディ(独立系)ゲームでは49%と回答があり、インディゲームへの回帰志向が窺える。

他に労働組合は56%が必要、14%が不要と回答した。ゲーム業界全体で雇用や労働環境に対して、開発者が公正な扱いを受けているかについては、「はい」が28%、「いいえ」が47%、「不明」が23%となっており、業界内での不公平感が高まってるようだ。

最後に社会におけるゲーム批判の理由をどのように考えるかという設問に対しては、「労働環境の劣悪さ」が68%、「ゲーム内の性描写」が67%、「暴力事件との関連」が62%、「業界が男性社員に偏りすぎていること」が51%、「肥満問題との関連」が49%、「多様性の欠如」が42%という回答が得られた。

同様の調査は国内でもコンピュータエンターテインメント協会(CESA)が「ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査」として昨年(2013年)度より開始しており、7月31日まで回答を呼びかけている。2013年度の報告書も公開されている。

ゲーム開発者満足度調査2014
http://www.igda.org/news/179436/IGDA-Developer-Satisfaction-Survey-Summary-Report-Available.htm

関連リンク
ゲーム開発者満足度調査2004年度版
http://c.ymcdn.com/sites/www.igda.org/resource/collection/9215B88F-2AA3-4471-B44D-B5D58FF25DC7/2004_IGDA_QualityOfLife_WhitePaper.pdf

ゲーム開発者満足度調査2009年度版
http://c.ymcdn.com/sites/www.igda.org/resource/collection/9215B88F-2AA3-4471-B44D-B5D58FF25DC7/2009_IGDA_QualityOfLife_WhitePaper.pdf