シリアスゲームの国際会議「e-virtuoses」(主催:CGI GRAND HAINAUT)が2012年5月24日にフランス北東部ノール=パ・ド・カレー地域圏の都市ヴァランシエンヌで開催され、フランス内外から約300名のシリアスゲーム開発者や研究者が参加。4トラック22セッションで幅広い議論が展開された。

前夜祭では優れたシリアスゲームを表彰する年間アワードの贈呈式があり、オランダのMAD MultimediaがWii向けに開発した視覚障害者向けアクションアドベンチャー「The Explorer and the Mystery of the Diamond Scarab」が最優秀作品賞を受賞した。プレイヤーは考古学者となって、ゴーストの導きを受けながら遺跡を探索していく内容。

シリアスゲームは教育・医療・公共政策など、社会問題の改善のために開発されたゲームの総称。代表例としてWFP(国連世界食糧計画)がリリースした「フード・フォース」などがある。フランスのゲーム振興団体AFJV(French Agency for Video Game)は、2011年度の全世界のシリアスゲーム市場を100億ユーロ(約9600億円)と算出している。

会議ではフランス企業によるシリアスゲームの事例紹介や事後検証、海外講演者による開発技法の体系化などが議論された。またゲームの開発技術をマーケティングなど、社会の幅広い分野に応用するゲーミフィケーションについても紹介され、シリアスゲームとの融合などが話し合われた。

フランスでは国や地方自治体が産業政策の一環としてシリアスゲーム制作に取り組んでおり、政府は4年前に2000万ユーロ(約19億円)を投資。同地域圏も、年間60万ユーロ(約5700万円)のファンドを展開している。本会議も地元商工会議所の旗振りで開催され、今回が4回目となる。

e-virtuoses
http://www.e-virtuoses.net/fr/accueil.html