米スミソニアン美術館でテレビゲームのグラフィックの歴史に焦点を当てた企画展「The Art of Videogame」が2012年3月16日から9月30日まで開催中だ。会場は「始まり」「8ビット」「ビットウォーズ」「過渡期」「次世代」の5つのコーナーに分かれ、全80作品の映像を展示。そのうち「パックマン」「スーパーマリオブラザーズ」「ザ・シークレット・オブ・モンキーアイランド」「ミスト」「フラワー」の5作を、各時代の代表作として位置づけた。この5作品は実際にプレイすることもできる。
同展覧会では、テレビゲームが過去40年間にわたる爆発的な進化の中で、絵画・小説・映像・音楽・ストーリーテリングなど、様々な分野で多大な影響を及ぼしたと指摘。数々のアーティストに対して、観客と相互交流を行い、勇気づけるための手段を提供したと賞賛した。その上で同展覧会を学術的な立場からテレビゲームの映像表現を振り返る初めての試みの一つと位置づけている。
会場では著名ゲームクリエイターやコンピュータ開発者の映像インタビューも上映中だ。全米でアーケードゲーム産業を開拓した「ポン(画面上に再現された卓球ゲーム)」の生みの親として知られるノラン・ブッシュネル氏や、メディア研究で知られるヘンリー・ジェンキンス氏ら、20名の貴重な証言が収められており、その一部はウェブ上でも試聴できる。イメージイラストやCG、ゲームが原作のコミックブックなど、関連資料も多数展示されている。図録 The Art of Videogame From Pac-Man to Mass Effect も出版中だ。
このほか講演会やパネルディスカッションなどを行う特別企画「ゲームフェスト!」も行われた。2012年3月17日には「メタルギアソリッド」シリーズの生みの親として世界的に著名なゲームクリエイターで、コナミデジタルエンタテインメントの小島秀夫氏も登壇し、トークライブを行った。他にゲーム音楽の交響楽団による演奏や、CG映画「トロン」の上映会なども開催された。
同展覧会では展示作品を決定する上で、2011年2月14日から4月17日までウェブ上で一般公募を実施。公募には世界175カ国・地域から11万9千人が参加し、合計370万票もの投票が行われた。作品リストはウェブ上でも公開されている。
The Art of Video Game
http://americanart.si.edu/exhibitions/archive/2012/games/#games