日本全国の「地ゲーム」を約200点展示・紹介するユニークな展覧会「日本の地域文化とゲーム展」(主催:大阪商業大学アミューズメント産業研究所)が開催中だ。遊びを通して日本の地域文化の再発見につなげることを目的に、2012年7月1日から7月31日まで開催されている。

本イベントで扱うゲームとはテレビゲームではなく、かるたや双六といったアナログゲームのこと。地域文化として現在にも伝わるものや、近年になって地域活性化を目的に自治体が開催しているものなど、特定の地域だけで遊ばれているゲームを一堂に展示した。

伝承的な遊びでは、畳24畳分の大凧を空中で絡ませて戦う「白根大凧合戦」(新潟県)や、日本伝統の蹴鞠を今に伝える「信濃乃蹴鞠」、明治時代に宣教師が持ち込んだとされ、現在も滋賀県彦根市で遊ばれている、ビリヤードとおはじきを融合させたようなボードゲーム「カロム」など。一方で自治体が主催するゲームでは、和歌山県で考案され、バスケットボールと卓球が融合した「バスケットピンポン」や、日本一長い旧木造校舎の109メートル廊下を雑巾がけで疾走し、タイムを競う「Z-1グランプリ」(愛媛県西予市)などが紹介されている。

7月1日(日)、14日(日)、25日(水)には展示解説会、7月7日(土)と22日(日)には体験会も予定されている。入場無料。

ちなみに、世界中で大ヒットした「スーパーマリオブラザーズ」や「テトリス」をはじめ、テレビゲームはもともと地域性を問わない遊びだったが、近年になって地域ごとの嗜好性に偏りがみられるようになってきている。それとともにクリエイターが自ら所属する地域文化について、改めて問い直す機会が求められつつある。本イベントはこうした視点からも大きな示唆を与えてくれるだろう。

日本の地域文化とゲーム展
http://ouc.daishodai.ac.jp/ams_labo/event/exhibition.html