イギリスのアニメーション研究者ポール・ウェルズ氏(ラフバラ大学教授)を編集長とする査読付の国際学術誌「Animation Practice, Process & Production」(以下、AP3)が創刊された。

アニメーション専門の主な国際学術誌は、これまで「Animation: An Interdisciplinary Journal」「Animation Journal」「Animation Studies」の三誌があったが、これらの学術誌が寄稿者および読者ともに研究者を主な対象としているのに対し、AP3は制作実践に携わる人々にもその範囲を広げることで差異化を図ろうとしている。

3月に発行された第1号は、アニメーションの定義に関する議論などといった研究者による従来通りの論文のほかにも、ポーランドのピョートル・ドゥマウア氏による実写とアニメーションの差異についての考察やチェコのイジー・バルタ氏による『屋根裏のポムネンカ』(2009)の制作日誌などのアニメーション作家による寄稿や、『9<ナイン>〜9番目の奇妙な人形』(2009)の制作体制についての紹介論文があるなど、実践寄りの内容も扱われている。

AP3は年2回の発行が予定されており、2011年3月発行の創刊号の各論文はウェブ上にて無料でダウンロード可能である。

「Animation Practice, Process & Production」 (Intellect社のホームページ)

http://www.intellectbooks.co.uk/journals/view-Journal,id=199