2012年3月14日から25日まで、モスクワの「モスソヴェト」小ホールにて、「ロシア・アニメーションの百年」(100 лет российской анимации)と題された記念上映企画が開催される。このイベントは、ロシア国立映画博物館主催で、人形アニメーションの巨匠ラディスラフ・スタレヴィッチ(1882-1965)が、処女作『麗しのリュカニダ』(Прекрасная Люканида)や『カメラマンの復讐』(Месть кинематографического оператора)などを公開した1912年から100周年を記念するものである。

今回の上映では、スタレヴィッチ以前の1900年代にバレエの指導用にアニメーション制作を開始し、その後アマチュア作家としていくつかの作品を継続的に作っていたアレクサンドル・シリャーエフ((1867-1941)の作品の抜粋映像や、ミハイル・ツェハノフスキー(1889-1965)などアヴァンギャルド芸術の文脈に属する作家の作品、イワン・イワノフ=ワノ(1900-1981)、フョードル・ヒトルーク氏、ユーリー・ノルシュテイン氏といったソ連の国営スタジオであるソユズムリトフィルムを代表する作家の作品など、1900年代から1990年代までの作品が主に紹介される予定だ。ロシアは巨大な国営スタジオの存在もあり、世界のアニメーション史において大きな功績を残している国のひとつである。

今回の上映は、旧社会主義圏においては長編やテレビシリーズよりも主流だった短編アニメーションの豊かな歴史を一望できるまたとない機会となるといえるだろう。

ロシア国立映画博物館ホームページ内の「ロシア・アニメーションの百年」上映情報(ロシア語)

http://www.museikino.ru/event/433