概要

アーカイブ構築のための所蔵館連携事業、アーカイブの利活用を目指した調査事業の継続に加え、過去4年を含めた5カ年の省察を行う。また所蔵館連携・調査事業においては産業界との連携の強化を図る。

最終報告会レポート

報告者:立命館大学 映像学部 井上明人

5年間の事業を通して、ゲームがどこで、どのような形で所蔵されているかの調査と、それを基に連携の組織化活動を相補的に実施してきた。2019年度の活動としては具体的には、調査活動として、スタンフォード大学図書館、アリゾナ大学、北京のオンラインゲーム会社Perfect World社などにヒアリングを実施し、OCLC Worldcatのデータの国内ゲームの所蔵実態についてのデータ整備を進めた。連携の組織化活動としては、国内の連携先ゲーム所蔵館同士でのセミナーを2回開催し、また国外については、本事業の間接的な成果として、海外の特にゲームのデータベース等に強い興味を持っている専門家がいるストロング遊戯博物館やスタンフォード大学図書館といった連携館と国際組織International Videogame Data Network(IVDN)を設立した。5年間の調査の結果、長期の保存環境構築のために必要な専門性は多岐にわたり、物理保存やデータベース、利活用、運営基盤の構築などの複数分野の専門家の協業が必要であること整理された。現時点では、すべての専門性を持つゲームの所蔵館はなく、さまざまな知見を相互に交換していく連携体制の構築がサステナブルな保存体制の構築にとって欠かせないということが改めて、明らかになった。

井上明人(左)、報告の様子(右)

実施報告書(PDF 約4.4MB)

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