新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、2020年2月以降、芸術分野全体において、多くの発表の場が失われた。なかでも、本来、舞台や劇場という実空間における身体表現を前提とするパフォーミングアーツ分野への影響は他分野と比較しても早く、かつ大きかったが、その分、多様な試行錯誤がなされている。例えば2021年2月、2つの新たなウェブサイトがオープンした。舞台作品にまつわる情報を一覧可能なデジタルアーカイブサイト「Japan Digital Theatre Archives (JDTA)」と、アクセシビリティを念頭においたオンラインシアター「THEATRE for ALL」だ。コロナ禍という困難を経て立ち上がったこれらの試みについて取材した。
「Japan Digital Theatre Archives (JDTA)」と「THEATRE for ALL」のロゴマーク
エンパクとデジタルアーカイブ
2021年2月23日に公開されたウェブサイト「Japan Digital Theatre Archives (JDTA)」(以下、JDTA)は、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館(以下、エンパク)が運営する、演劇・舞踊・伝統芸能の舞台写真や告知チラシ画像、そのほか公演に関連する情報をまとめた、デジタルアーカイブ閲覧サイトである。このサイトを構築し、運営を担うのはエンパクだが、その立ち上げにおいては、「令和2年度戦略的芸術文化創造推進事業 文化芸術収益力強化事業(註1)」に採択された「緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業(EPAD、註2)」(以下、EPAD事業)が重要なプロジェクト母体としてあり、その立ち上がりにはコロナ禍という状況が密接に関わっているのだが、その経緯については後ほど触れたい。
JDTAトップページ
エンパクは1928年に設立された、アジアで唯一、世界でも有数の演劇専門総合博物館である。総合芸術である演劇にまつわる資料は図書資料や紙資料、衣装や小道具などの品々から記録映像、音源など、実に多種多様であり、同館は1995年にホームページを開設して以来、1997年の「錦絵検索システム」の公開を皮切りに、資料の性質ごとにデータベースを作成・拡充させながら、その多彩な所蔵品を閲覧可能な「演劇情報総合データベース-デジタル・アーカイブ・コレクション-」をつくり上げた(現在は「早稲田大学文化資源データベース」という、早稲田大学全体のプラットフォームとして運用されている)。所蔵品の画像や情報の閲覧はもちろんのこと、能面など、一部の所蔵品は3Dデータを自由に動かすなどといった楽しみ方も可能だ。
物理的な所蔵品ではなく、公演を軸にしたデジタルアーカイブ
これまでのデータベースがあくまで館の所蔵品一点一点を軸に形成されてきたのに対し、今回新たに立ち上げたJDTAは、物理的な所蔵品ではなく「公演」という行為を軸に、それにまつわる情報を体系的に閲覧可能な検索サイトである。1ページに美しくまとまった各「公演」情報を、キーワード検索や詳細検索によって、キャストやスタッフ、劇場などさまざまなフックを設定し、たどることができる。
以前からのエンパクのデータベースにおける近しいものとして、「演劇上演記録データベース」が挙げられる。エンパクが収集・整理した国内外の近代・現代演劇に関する上演資料(プログラム・チラシなど)を基に構成されており、10万件を超える上演記録が蓄積されている。膨大な情報量からなるデータベースだが、閲覧すると、文字情報だけでは、実際の公演が想像し難いことがもどかしく感じられる。対してJDTAで公開されている公演情報には、舞台写真や告知チラシ、抜粋された映像など、ビジュアルイメージが必ずある。これは、JDTA計画当初より、文字情報、画像、さらには作品概要やカンパニー紹介を紐づけて総合的に見せ、さらには日英二カ国語にすることで新たな観客の開拓や海外からのアクセスを促進することを念頭に置いていたからだという。
「早稲田大学文化資源データベース」内、「演劇上演記録データベース」での検索結果。記録としては充実しているものの、実際の公演はイメージしにくい
JDTAでの検索結果。ビジュアル資料がまず目に入り、かつ、関連情報が美しくレイアウトされた状態で表示される
総合芸術ゆえに大きな、
記録のデジタルデータ化と権利処理というハードル
これは鑑賞者側からも言えることだが、舞台作品は舞台で見てこそというイメージが、つくり手側にも根強くあり、2014〜2015年にエンパクが行った全国規模の調査では、多くの劇団、劇場、ホールなどの文化施設において、公演映像が撮りっぱなしのまま死蔵されているという状況が明らかになっていた。DVDやVHSのまま保管され劣化の危機にさらされている公演映像の長期保存には、デジタルデータ化と適切な管理が必要であり、さらに、それらを配信などに利活用し新たな利益を生み出すには、適切な権利処理が必要となる。つくり手としては、そこに労力や費用をかけるよりも、ひとつでも新たな作品を生み出したいところだろう。このように2つの大きなハードルによって、公演記録のデジタルデータ化と活用は、切望されながらも実現していなかったのである。
ここで、先述のEPAD事業について触れておきたい。コロナ禍という危機的状況も重なって立ち上がったこの事業は、公演映像をはじめとする、舞台作品にまつわるさまざまな記録のデジタルデータ化および、有料配信に必要な権利処理の促進と、コロナ禍にある舞台芸術界への緊急支援とを同時に行うという画期的な事業であった。つまり、先述した権利処理を適切に行い、その対価を著作権者へ支払うことと、コロナ禍において発表の場を失った人々への救済措置を行うこととがぴたりと重なったのである。
この事業において、デジタルデータ化が叶った公演映像の情報を、関連情報とともに、検索、閲覧可能なかたちで整えたのが、エンパクのJDTAである。
もちろん、エンパク内でもVHSなどの媒体で寄贈された公演映像のデジタルデータ化やAV資料の収集に取り組んできたが、博物館単体で取り組める数には限りがある。JDTAのようなサイトが実現したのは、各団体とのやりとりやデータ整備の実作業を担う外部団体との連携があってこそだという。
EPAD事業の開始が2020年8月末。その後、10月にJDTA開設のためのプロジェクトチームがエンパク内に編成され、サイトの設計開始から公開までは約4カ月という超短期集中型プロジェクトであったにも関わらず、サイト公開時点で閲覧可能となった公演情報は1,283件と膨大な数にのぼった。
多様な公演形態に対応可能なデータベースの設計
抜粋映像や画像資料と公演情報を紐づけて総合的に見せることがJDTAの肝と言えるが、加えてメタデータの掲載方法についても、チーム内で熟考を重ねたという。
データベース設計の際には、そこに掲載する情報をどう定義・区分し、どのような関係性で結ぶかを決める作業が非常に重要である。そもそも「公演」とは何を指すのか? 一定期間、複数回上演を行うことを丸ごと指すのか、一回一回の上演が「公演」なのか? 「舞台芸術を構成する要素」としてあげられるだけの単語を挙げ、関係性をマッピング。そのうえで、エンティティと呼ばれる、情報の区分けを定義し、構築するための関係性を定めた。
演劇博物館JDTAプロジェクトチームが作成した「舞台芸術を構成する要素」のマッピング
ひとつの公演を形成する情報は多様にあり、かつ、ジャンルや公演形態などによって、区分けや階層のありようが異なる。例えば、現代演劇の場合にはひとつの公演にある演目はひとつ、ひとつの役柄を演じるキャストも一人というスタイルが一般的だが、伝統芸能や、バレエなどとなると、一公演に複数の演目がある場合や、ダブルキャストという場合もある。公演と演目、役柄とキャストがイコールのものとして定義できないため、可変性を残しておく必要がある。また、同じような役割を示す言葉でも、劇団や公演によって違う言葉を使っている場合もある。例えば「いしょう」には、「衣装」と「衣裳」とがある。情報の「揺れ」や「ブレ」とも取れるそういった微細な違いは、しかしながら、後に貴重な資料ともなり得る。JDTAでは、キャストの役名やスタッフの役割、その掲載順に至るまで、各団体から提出された情報に忠実に掲載している。こういった細かな差異を生かす方向づけは、事業関係者の多くが、舞台芸術の現場に携わる人間で構成されたがゆえに実現したことでもあるのかもしれない。
なお、エンパクに収蔵された公演映像のうち、許諾を得た映像については、2021年6月以降、その全編をエンパクの閲覧室AVブースにて視聴可能となった。AVブースでの所蔵資料の閲覧は以前から可能だったが、これを機にデータ管理システムをリニューアルしたという。映像資料、とりわけデジタルデータ資料を大量に管理するうえで、セキュリティをこれまで以上に強固にする必要があったからだ。物理的なメディアの持ち出しをすることなく、別室に設置したデータ管理用のPC操作で、閲覧用PCにリードオンリーのデータを必要に応じてリンクすることが可能なシステムを新たに構築した。
アクセシビリティに特化したオンラインシアター
JDTAの挑戦がリソースの有効化であるのに対し、同時期に公開されたオンラインシアター「THEATRE for ALL」(以下、TfA)では、既存のコンテンツの有効範囲を広げたり、独自性のあるコンテンツを新たに創造したりするような取り組みが行われている。この新たな劇場が念頭に置いているのは、「アクセシビリティ」である。
「THEATRE for ALL」トップページ
パフォーミングアーツ・映画・メディア芸術・ドキュメンタリーなどをはじめとした分野を扱うTfAでは、リアルな劇場で行った公演の映像記録や映画などの、既存の作品に字幕や音声ガイドを付加したものや、TfAでの配信を前提に、制作段階からアクセシビリティを意識してつくられた映像作品の配信を行っている。サイトの立ち上げにおいては、JDTAと同様、「文化芸術収益力強化事業」として採択を受けており、公募形式で配信作品の募集を行い、セレクトされた作品は、作品のバリアフリー対応をはじめ、配信に関わる著作権処理など、企画制作全般への支援を受けたうえで、TfAでの配信スタートとなっている。
そもそも、TfAを運営する株式会社precogは、国内外さまざまなイベントの企画・運営を行うパフォーミングアーツ制作会社である。2003年の設立以来、劇場や美術館をはじめとする文化施設や、芸術祭などのフェスティバルにおける作品の制作、企画運営に携わってきた。2019年からは、多様な障害・性・世代・言語・国籍を持つ人々とつくり上げる大規模な芸術祭「True Colors Festival -超ダイバーシティ芸術祭-」の事務局を担当していたが、言わずもがな、コロナの影響を受けリアルでの実施が困難となった。以前からバリアフリーや多様性を意識した企画を多く手掛けていた、precogの執行役員でありTfA統括ディレクターを務める金森香さんは、多くの団体がそうであったように、オンラインでの試みを早急に始める必要性を感じることとなった。そこで独自の観点として掲げたのが「アクセシビリティ」である。
オンライン化とラーニングコンテンツによる、
さまざまな人にとってのバリアフリー化
「アクセシビリティ」というと、何かしらの障害を持つ人に対する配慮というイメージがあるが、そうでなくても、とある劇場に足を運ぶことへのアクセシビリティを考えた時、住む地域や、使える言語、年齢、生活環境など、さまざまな条件がハードルになることは、誰にでもあり得る。物理的な場を持たないオンラインの劇場は、それだけで、移動や距離といったバリアを持たない。また、視聴環境にも制限がなく、リアルな劇場であれば見知らぬ人と隣り合わせで一定の時間静かに観続ける必要があるが、配信型の視聴(ライブ配信を除く)には、決まった開演時間がなく、一時停止や部分的なリピートも可能、お菓子を食べながら寝転んで観ることだってできる。コロナ禍においてさまざまなコンテンツがオンライン配信され、こういったメリットはもはや自明のことだが、身体障害や知的障害がある人はもちろんのこと、育児や介護などで思うように時間が取れない人などにとっても、コロナ禍に限らずそれは大きな利点であり続けるはずだ。
また、芸術作品を「どう見たらいいかわからない」というような、考え方の部分でハードルを感じている人も多い。そういった思考面でのバリアを減らすためのコンテンツとして、TfAには、作品映像のみならず、作品の関係者(作家や専門家など)による作品解説動画が、「ラーニング」コンテンツとしてほぼすべての作品に用意されている(2021年3月時点で、映像作品を約30作品、ラーニングプログラムも同様の約30本を配信)。
アクセシビリティへの意識がもたらす新たな創造
ここで、いくつかのコンテンツについて具体的に触れてみたい。
TfAが配信する作品映像には、既存の公演記録に字幕などを追加することで情報保障を行ったものと、作品を制作する段階からアクセシビリティを意識してつくられたものとがある。我々が想像しやすいのは前者のように、字幕や音声ガイドが後付けで付加されたようなものなのではないだろうか。筆者がここで注目したいのは、後者の、アクセシビリティを念頭においてつくられた作品である。
異言語Lab.による「没入型映像 イマージュ」は、16分の映像作品である。「この作品を、音声のみ、視覚情報のみで、どうやって表すのだろう」と不思議になるような、セリフのほとんどない、場面や視点の転換によって推移する静かな映像作品である。アクセシビリティの付加の仕方を違えて、全部で5種類が配信されており、それぞれ以下の補足がある。
1「オリジナル(あなた自身)」:オリジナル
2「視覚化(視覚言語を文字・視覚化)」:手話の日本語字幕
3「視覚化(音の世界を文字・可視化)」:音声日本語の日本語字幕・オーディオビジュアル
4「聴覚化(「私」の意識)」:音声ガイド
5「視聴覚化(視聴覚情報の明示+「私」の意識)」:手話・音声日本語の日本語字幕+音声ガイド
健常者であれば1を観ればよい、ということではなく、2、3……と観ていくと、それぞれに違った気づきがある。1では語られていない、登場人物が頭のなかで巡らせた思考が、4ではモノローグ的に語られている、といったように。この作品は、複数のバージョンを設けることを前提として、それをバリアフリーのためだけではなく、異なる視点で作品を鑑賞するための手段としても活用している。そもそも物事は、人によって違う捉えられ方をする、不確かなものなのだということを改めて考えさせられるような多視点的な作品である。
また、情報の視覚化の方法ひとつを見ても、人の発話は一般的な映画の字幕のように表示されるが、環境音などを表現するオノマトペは、画面上のその音源に近い位置に表示されたりと、後付けではできないような工夫が凝らされている。文字化だけではなく、ジェスチャーや手話が表す情景がモーショングラフィックスで重なるといった仕掛けもある。わかりやすい情報保障に留まらない、「アクセシビリティ」というコンセプトを持つことによって生まれた新たな作品である。
「没入型映像 イマージュ」のワンシーン。手話にさらにモーショングラフィックスが重なる。また、映像上部に表示された複数のタブからセレクトすることで、異なるバージョンを観ることができる
異言語Lab.『イマージュ』より
現代美術家の毛利悠子さんによる、同名のインスタレーション作品を映像化した「I/O」にも、美術館などで同作を体験するのとは異なる仕掛けが施されている。
美術館で作品を体験する際には、作品と自分(鑑賞者)、一対一の関係だが、映像化された本作品では、作品をさまざまな視点から捉えた映像に、詩人の大崎清夏さんによる詩「《I/O》のための断章」の朗読が重なる(朗読者は萩原慶さん)。そもそも明確な「正解」のない美術作品の鑑賞を補填する役割として、わかりやすい「解説」ではなく、想像を後押しする「詩」を用い、音声ガイドや字幕としているのである。
また、先述した「イマージュ」同様、「I/O」にも「日本語」と「英語」という2種類が用意されているのだが、英語バージョンをぜひご覧いただきたい。タイトルの「I」と「O」を意識した、ちょっとした(とはいえ、制作側としては一手間だったであろう)仕掛けが施されており、こちらもまた、異なるバージョンを巡ることで新たな発見をもたらしてくれる。
「I/O」のワンシーン。インスタレーション作品のクローズアップに、詩が字幕と音声で重なる
毛利悠子『I/O』より
「I/O」のラーニング動画、【2つのQ】毛利悠子「I/O」のワンシーン。作品に関連するラーニング動画は「クエスチョン」と「クエスト」という2つの観点を重要視してつくられている
【2つのQ】毛利悠子『I/O』より
作品へのアクセシビリティの取り入れ方には、「これが正解」という形を設けることなく、ゆえに、制作者である作家の意向を汲み、作品ごとに異なるやり方で、制作と同時進行でその方法を探るような作業でもあるという。ここに挙げた2作品は、その結果、独自の進化を遂げた少々特殊な例とも言えるかもしれないが、こういった作品を含め、TfAで配信されているコンテンツは全て、制作過程やアクセシビリティを付加する過程、そして完成後においても、多様な当事者モニターによる検討を経て配信を行っている。
また、「All(すべての)」人に対してアクセシビリティをよくするということはどういうことなのか、その試行錯誤の場でもあるTfAは、配信サイトと並行し「THEATRE for ALL LAB」と題したリサーチのプロジェクトを設け、アートと多様な人々を結ぶ活動や、身体や言語、環境などが異なる人々同士のコミュニケーションについて考える場として運用している。
コロナ禍で少し立ち止まり、整えることで見えてきたもの
少々話がずれるが、昨今のサウナブームや、断捨離ブームなどに伴って「整う」「整える」といった言葉をよく見聞きするようになった。インスタグラムなどの画像コンテンツをメインとするSNSの流行から、これまでは人目を気にしなかったような自宅内の整理整頓などへの意識も高まっているが、「整える」ということは、何もないところに生じる欲求ではない。何かが、ある程度豊かにそこに存在するからこそ、機能面や美的感覚において、「よりよくしたい」という欲求が働く。整えることの必要性は、これまで積み上げてきたものの豊かさに比例して現れるものとも言えるのではないだろうか。
さまざまな形式で生み出され続けてきたものを、一旦立ち止まって俯瞰して、整えるベースをつくり上げたJDTA。よりインクルーシブな世の中を実現するには、後回しにされがちでありながらも必要不可欠な「もう一仕事」があることを示唆するTfA。
今回とりあげた2つの新たな取り組みは、それぞれに文化芸術の次の時代を見据え、状況や物事を「整える」ことを試み、そこからさらに、豊かな創造につなげようとしている。どちらも継続に大きな意義のあるプロジェクトだが、現実に目を向けると、JDTAの開設を含むEPAD事業において、資料提供団体へ支払った権利対価は合計で5.4億円にのぼり、この金額は事業費全体の70%以上を占めるという。TfAにおいても、公募の告知ページに残るバリアフリー対応にかかる予算の一例を見ると、60分のコンテンツの字幕制作、音声ガイド制作にそれぞれ約80万円の金額が例示されている。物事をよりよく「整える」ことに、どれだけの人手とそれに伴う対価が必要かを教えてくれる数字である。
コロナ禍という状況をポジティブに捉えることは決してできないが、その影響下において、このような意義ある事業が成されたのは、幸いなことと言えるだろう。新たな歩みの今後の継続を願ってやまない。
(脚注)
*1
コロナ禍で経営環境が厳しさを増す文化芸術団体等の事業構造の抜本的改革を促し、活動の持続性を高めるため、各分野の特性を活かした新しい収益確保・強化策の実践を通じ、国内外の新たな鑑賞者の拡充、需要拡大を目指すものとして導入された施策。令和2年7月から8月にかけて委託事業が募集された。経済的打撃を受けている芸術団体を文化庁が直接支援するのではなく、事業立案者があいだに入って「収益力強化」に資する事業を提案するという枠組みが特徴。
*2
寺田倉庫株式会社と緊急事態舞台芸術ネットワークがタッグを組み、コロナ禍により困難に陥った舞台芸術を支援し収益力強化に寄与することを目的として、文化芸術収益力強化事業に採択された委託事業。演劇・舞踊・伝統芸能の3分野にわたる舞台公演の新規収録の支援、既存の舞台公演映像や戯曲の収集、それらの権利処理を行うことによる配信可能化を目指した。
【参考資料】
「舞台芸術の映像配信とデジタルアーカイブのこれから−EPAD事業報告書−」EPAD実行委員会、2021年3月
※URLは2021年10月19日にリンクを確認済み
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